リーダーに常に従う習性
犬は、もともと集団で群れを成してリーダーを決め、必ずそのリーダーに従う習性があるので、犬は飼い主にリーダーとしての役割を求めます。リーダーは飼い主だということを、しっかり犬に教える事が大切なのです。犬はリーダーには従順ですが、他の動物や他人に対しては常に警戒心をもっています。
また、犬は狼に品種改良を重ねた動物だといわれています。
縄張りをつくったり、救急車やパトカーのサイレンに反応して遠吠えをしたりするのは、オオカミから受継いだ習性で、犬の本能だといえます。
人間のために働いている犬たち
与えられた仕事をこなす能力に優れている犬。その能力を活かして、私達人間のために働いている犬がいます。鋭い臭覚を活かして、鑑識活動や行方不明者の捜索に活動している警察犬や、視覚障害者の目の代わりになって誘導する盲導犬、手足の不自由な人のためにドアを開閉したりなどの手助けをする介助犬など、犬が人間社会に果たしている役割は多大です。もし働いている犬を見かけたら、撫でたりエサを与えたりして、仕事中の注意力をなくすことはしないようにしましょう。
優れているのは・聴覚 犬の能力で特に優れているのは嗅覚で、犬は嗅覚を頼りにに生きているといえるほど、重要な情報源となっています。かぎ分ける能力は人間の約100万倍ともいわれ、風に運ばれてくる臭いで周囲の状況を察知しているようです。
また、聴覚も優れていて、音を感じる範囲は人間の約4倍といわれ、遠くの音も用意にキャッチできます。
顔をなめるのは愛情表現
犬は体で嬉しさを表現します。特に飛び上がって飼い主の顔を舐めようとするのは、愛情表現とともに服従心を示しています。また、犬の舌は、人間が考えている以上に清潔なので、犬が舐めたがっているときは嫌がらないようにしましょう。嫌がったら、叱ったりすると犬は愛情表現を否定されたとおもい、とまどってしまいます。
「吠える」「かむ」は犬の本能 吠えるのは犬の本能ですが、無駄吠えは犬に欲求不満がたまっているサインです。
その場合は叱るだけでなく、まず犬のストレスや欲求不満を取り除いてあげましょう。
それでも直らないときは、吠えている原因を確かめる必要があります。
また、ものをかむことも犬の本能なので、かんではいけないものをかんだときは厳しく注意しましょう。
飼い主のいうことは何でもききたい
命令に従って動くことが、犬にとっての大きな喜びです。
狩猟犬と牧洋犬として活躍していた犬は、特に飼い主と行動をともにしたい、命令を受けたいという気持ちが強いようです。犬には的確な指示を与え、それに従わせる事は、犬との信頼関係を深める上でも大切なことといえます。また、犬の口はものを食べるためだけではなく、物を加えて認識したり運んだりと、人間の手の役割も果たしています。コレを利用して、新聞を加えて運んでもらったりなど、犬にも家族の一員をしての役割を与えてあげるといいでしょう。
ほめられるのが大好き
犬にとっての幸せは飼い主の命令に従って、キチンとこなせたときに褒められる事です。
「ほめる」ことはしつけをするうえでも大切な事なので、犬が命令に忠実に従う事が出来たら、オーバーなくらいに褒めてあげましょう。ですが、悪い事をしているのに可哀相だからといって、甘やかすのはよくありません。その場合は、褒めるときとは変化をつけて厳しく叱りましょう。
また、ほめるときもしかるときも、犬の目をしっかり見て、真剣に向き合うように心がけましょう。
体の先はさわらないで 優しく体を撫でられるのは気持ちよく、心拍数が減少したり、血圧が下がったりして犬にとっても嬉しい事なので、日ごろからのスキンシップを大切にしましょう。
口元から耳、高等部から背中、首から胸を撫でるといいでしょう。
逆に、尻尾の先や鼻先、足先などの体の末端部分は神経が敏感になっているので触らないようにしましょう。
大きな音は苦手
雷や花火の音、掃除機の音など、犬は大きな音が苦手です。
それは、人間よりも優れた聴覚を持っているので、一つ一つの音が大きく、クリアに聞こえるからだといわれています。音に対して銀間に反応してしまう場合には、テープなどに犬の苦手な音を録音し、最小は小さいボリュームにし、徐々に大きくして少しずつ慣れさせましょう。
さみしいのが嫌い
もともと群れの中で生活していた犬は、群れる事を好み、いつでも家族と一緒にいたい、体を撫でて欲しい、優しい言葉をかけてもらいたいと思っています。
寂しがらせないようにするためにも、1日1回は短時間でも犬と遊んであげましょう。
また、屋外で飼っている場合は家族の姿がよく見える場所に犬舎を置くといいでしょう。
気持ちは体全体で表現している
犬は言葉を話すことは出来ませんが、その代わりに、喜怒哀楽を体全体で表現しています。
嬉しいときは尻尾を軽く振って「ワンワン」と鳴きます。それ以上の多きな喜びを感じているときは飛び上がって飼い主の顔をなめようとします。警戒しているときは、耳をピンと立てて尻尾を小刻みに動かし、悲しいときは尻尾を下げて「クーンクーン」とすがるように鳴くなど、人間の表情のように豊かです。
犬のボディーランゲージを理解し、円滑なコミュニケーションをはかりましょう。
犬からの「遊ぼう」サイン
犬は遊ぶのが大好き。遊ぶ事で飼い主と触れ合う喜びを感じています。
また、野生時代から犬同士の意思の伝え方や危険回避の方法、平均感覚なども遊び方を通じて学んできました。犬が前足で飼い主の足を軽くトントン叩いたり、おじぎをしているポーズをとるなどの「遊ぼうサインを出してたら、遊び相手になってあげましょう。
与えた愛情以上を返してくれる
「コンパニオン・アニマル」として、昔から人間に多くの喜びをもたらしてきた犬。犬は与えられた愛情以上を人間に返してくれます。犬を撫でると心が安らぐ、見ていると気持ちが和むなど、犬がいることで生活が潤い、豊かになります。そんな犬へのお返しに飼い主は、素晴らしいリーダーになってともに幸せな暮らしを育みましょう。
PHP研究所:犬の頭がグングンよくなる育て方~抜粋